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サマリタンズホームページより/第15号

 

2017年3月13日発行

■サマリタンズ活動の数値的な価値

解題:13号に続いてサマリタンズが発信している最近のニュースを二つお届けします。最初はサマリタンズの活動の価値を数値的に捉えた記事、2番目は人が話したいと思っていることを無視することへの警告と地域の支部以外でも活動するサマリタンズの記事です。

サマリタンズのボランティアは年に500万時間以上を、いのちを救うために提供している
2016年5月31日(火)

 このボランティア週間(2016年6月1日〜12日)に、サマリタンズのボランティアが毎年550万時間をいのちを救うために提供していることを明らかにしました。6秒ごとに誰かがサマリタンズに電話をしています。英国とアイルランドで2万人以上のボランティアが、電話、e-メール、テキスト(訳者註:SMS)さらに、職場、学校、地域社会、刑務所での人々の支援に対応しています。彼らはNHS(訳者註:英国の国民保険サービス)、警察や救急サービスとの協働、さらに支部として知られている201の地域拠点の運営と資金集めのため働いています。支部のいくつかは店もやっています。
サマリタンズは、賃金を払うなら年に7200万ポンド(約93億円)になると算定しています。

 しかし、バーミングハムで長年ボランティアをやっているJK Fouzderは、サマリタンズであることは、まさに価値が計れないほど貴重と考えています。
「長い1週間の仕事と家庭での忙しい時間の後で、ベッドにいたほうがましと感じながらもサマリタンズのシフトに就きました。しかし30分後には、母親の死と恋愛関係の破局に打ちのめされ、どうしてよいか分らなくなっている男性と話していました。ボランティアが困難な思いを理解できるようかけ手を支援し、さらに苦しんでいることを心から傾聴し、その結果かけ手が困難を理解したことを知ること事が、ボランティアにとって最も意識が高揚し、元気付けられ、人生を変えるとも言えることなのです。今やっていることが大好きです。」

 サマリタンズの会長であるJenni McCartneyは30年以上慈善団体でボランティアをやってきました。「人生は誰にとっても辛いことがあります。一生を通じ誰もが支援を必要とする時があるのです。サマリタンズのボランティアとして、私たちは人を評価・判断しません。無条件に誰のためにもここに居るのです。そして、人々が立ち上がれないと感ずる前に私たちに話して欲しいのです。」

 201の支部を拠点としたボランティアはいろいろな役目で働いています。傾聴ボランティアは電話、e-メール、テキストに対応し、さらに自ら支援を求めて支部を訪れる人に対応します。毎週のシフトは3時間又は4時間で、殆どのボランティアは1年を通じ、多くの夜のシフトを担当しています。研修はとても広範囲な内容で、ボランティアはいろいろな行事や活動の機会でのボランティア活動とともにいつもチームとして活動します。

 Jenni McCartneyは付け加えます。「私たちは、ボランティアを希望している人の声をいつも望んでいます。慈善事業、奉仕福祉活動、私たちの支部の日々の運営を喜んで支援してくれる人も同様です。サマリタンズでのボランティア活動は双方が満足できる関係です。あなたが経験と知識を提供し、見返りに新しい一式のスキルを身に付けます。私自身の経験から、投入したものと同じだけのものを得られると本当に言えます。このボランティア週間で、もし可能なら、寄付をするかあるいはあなたの時間を提供することを考えて下さい。あなたのお金や時間がいのちを救うのです。」

 少なくとも2100万人以上の人が年間英国でボランティアをやっています。ボランティア活動の英国経済への寄与は239億ポンド(3.1兆円)と算定されています。これはGDPの1.5%以上です。

 誰でもサマリタンズと連絡を取ることが出来ます。自殺を考えていなくてもかまいません。どんなことで苦しんでいても、いつでもどんな電話からも116 123(この電話は無料であなたの電話の請求書には表示されません)に電話して下さい。e-メールはjo@samaritans.org、またはwww.samaritans.orgで最寄りの支部の詳しいことを知って下さい。

 もし、サマリタンズでのボランティアに興味をお持ちなら、www.samaritans.org/volunteering、
ツイッターは@samaritans、
フェイスブックはwww.facebook.com/samaritanscharityを見て下さい。

 さらなる情報、写真、サマリタンズ会長のJenni McCrtneyや他のボランティアの記事に付いては、サマリタンズの報道担当者020 8349 8300またはpress@samaritans.orgを見て下さい。

出典:Home > News > Samaritans volunt-heros give more than 5 million hours a year to save lives




サマリタンズのCEOは人々の話したいことを無視することに警告を発している

2016年7月11日(月)



 職場で、学校で、留置所で、2万人のサマリタンズ傾聴ボランティアが英国とアイルランドで広範囲に支援活動を行っています。7月中行われるサマリタンズのTalk to us(わたしたちに話してください)キャンペーンは、サマリタンズのボランティアが電話の前に居るだけでなく、私たちの毎日の生活を支えている全ての組織と関係していることを示しています。

 年齢や職業に関係なく地域社会の至る所で人々は、201支部での電話、e-メール、テキスト、手紙、および面談での対応はもちろん、サマリタンズの支援によって困難から立ち直る道を見出しています。  若者が感情の回復力について学ぶのを支援することは、より健康的な将来への鍵であり、読み書きを学ぶのと同じくらい重要です。毎年2万回以上、サマリタンズの教材“Developing Emotional Awareness & Listening”が英国の学校でダウンドードされています。

 何百万もの人達が仕事で問題を経験し、あるいは職場で傷つきやすい人々に対処しています。サマリタンズはここでもWorking Traningを提供することにより、金融機関からコールセンターまで何処でも、働く人々を広い分野にわたって支援しています。彼らは、社員と顧客両者の感情面で配慮が必要なことに確実に目が向けられているようにします。

 サマリタンズはNHS、警察、救急サービスとも、傷つきやすい人々を支援するため一緒に活動しています。活動の場所はA&E(訳者註:救急救命センター)から裁判所、保護施設まで、あるいは警察の調査部門まで及びます。私たちは英国中の鉄道事業を支援し、私たちの感情を支援する活動をさらに知ってもらい、鉄道スタッフが危機にあるかもしれない人のいのちにいかに介入するかの教育もしています。

 年齢や職業に関係なく地域社会の至る所で人々は、201支部での電話、e-メール、テキスト、手紙、および面談での対応はもちろん、サマリタンズの支援によって困難から立ち直る道を見出しています。

 2015年、サマリタンズは1500人以上の収容者に聴き方の教育をしました。私たちの聞き方(Listener Scheme)は25年以上使われていますが、これらの収容者は英国とアイルランドの留置所で、収容されている人からの9万件近くの要望に応え、仲間のサポートをしました。

 サマリタンズのCEOのRuth Sutherlandの話です。「家族として、友として、仲間として、親そして専門家として、途方にくれて、絶望し、気にかけて貰えない人達を無視する危険性を私たちは皆知っています。英国は社会的に、政治的に、そして経済的に厳しい状況になっています。私たちは苦しみに打ちひしがれた人々のためにここにいますが、一人では活動できません。

 私は、企業主、先生、政治家そして影響力のあるすべての人を訪問しています。目的は、その人が面倒見ている、一緒に働いている、または代表している人達、の話を単に聴くことにより、彼らが生活に何が起きているかを語り、彼らが本当に心配していることを話すよう勇気づけることです。

 私たちは皆、数週間、数ヶ月前にお互いに助け合うために活動する任務があります。そして、サマリタンズとしての60年からの経験から聴くことはいのちを救うことを知っています。よい聴き手になりたい人は誰でも、サマリタンズの聞きかたの秘訣を活用することが出来ます。

<サマリタンズの聴きかたの秘訣>

・心配している姿勢を示す:その人に集中し、目を合わせ、携帯電話の電源は切っておく

・我慢強く:心を開く前に時間がかかり、いくつかの回り道があるいかもしれません。

・話を引き出す質問をする:はい/いいえ以上の答えになる質問をし、フォローします。例えば「〜について話していただけませんか」。

・くり返す:理解したことを確認するため、但し、話に口を挟まないように。

・勇気を持って:否定的な受け答えにもうんざりしないこと、最も重要なのは沈黙を続けるのを恐れないこと。

Samaritans’Talk To Us campaignに参加するには、ツイッターの@samaritans又はフェイスブックで見付けて下さい。

 誰でもサマリタンズと連絡を取ることが出来ます。自殺を考えていなくてもかまいません。どんなことで苦しんでいても、いつでもどんな電話からも116 123(この電話は無料であなたの電話の請求書には表示されません)に電話して下さい。e-メールはjo@samaritans.org、またはwww.samar itans.orgで最寄りの支部の詳しいことを知って下さい。さらなる情報、写真、記事に付いては、サマリタンズの報道担当者020 8349 8300またはpress@samaritans.orgを見て下さい。

出典:Home > News > Samaritans' CEO warns of the danger of ignoring people's need to talk



■古参ボランティアが経験を語る

解題:サマリタンズは2013年11月に創設60年周年を迎え、それを記念した記事がThe history of Samaritansというページに出ています。チャド・ヴァラー時代からボランティアであった方を含め3人のお話です。

ボランティアの話―エヴァ


 エヴァはチャド・ヴァラーの新サマリタンズを特集する初期のテレビ番組を見て、最初のボランティアの一人として認定された。エヴァの研修は六つの講義から成り立っていた。

「当時は、私たちの研修は毎週の講義でした。今日の研修との主な違いは、ロールプレイが無かったことです。最初の講義で、私たちは掛け手と違いはないのだと聞かされました。すなわち、ある日にはボランティア、次の日には掛けて手になるかもしれないということです。これは私が決して忘れることのない一理ある言葉で、今日でも当時と同様に当を得ています。」

 サマリタンズの初期の活動では、相談は電話より顔を合わせる面談の方が多かった。

 「私たちは、セントステファン教会の一室に行っておりました。そこの中央に大きな湯沸かし器が具えてあり、相談に訪れた人は待ち時間や相談しながらコーヒーや紅茶、ビスケットを口にすることが出来ました。もし、彼らが内々に相談したいと希望する場合は、周りに小部屋が用意されていました。
 私たちは、パブやカフェー、さらに相談者の家でも彼らと会うことを奨励されていました。」

他のことは当時とあまり変わっていないとエヴァは言う。

 「おそらく失業者が今の方が多いことを除けば、問題は同じです。今なお人には多くの苦悩があります。特に人間関係において。これらは常に問題の筆頭です。」

 エヴァは最近バーンステープルサマリタンズの相談員から身を引いた。しかし、評価・判断することなく決心は相談者に任せるという組織の傾聴の原則に、固い信念を抱いている。エヴァは長い間相談員を勤めたことで最近国の組織から表彰され、そこを去ることをバーンステープルサマリタンズの仲間から大変惜しまれている。仲間の一人は彼女のことを「私たち全員が熱望するサマリタン」と呼んでいる。

ボランティアの話―マック

 ルートン支部のマックは相談員をやって25年になる。最近の四半世紀で組織で何が変わったかについて私たちに語ってくた。

 「サマリタンズに参加したのは1988年です。ほとんどのボランティアがそうであるように、何かお返しがしたいという単純な思いでした。最近の25年間、支部で多くの役目に就きました。リーダー、委員会の議長、心の健康を他の機関と推進するための500ページにもおよぶ電話相談ラインの編集者などです。

 ボランティアをやっていてよいと思うのは、そこにいることが大変うれしく感じる電話が時々あることです。傾聴したり、混乱しているコーラーを落ち着かせたり、あるいは話を聞き、普通はただそこにいる時間と空間を提供するだけで変化をもたらすことができる、そういう電話がかかってくるからです。

 私たちがコーラーの身内や、コーラー自身を支援したことで「有難う」と言われる電話もいつ聞いても嬉しいものです。長い年月で、私はチャド(訳者註:チャド・ヴァラーのこと)に幾度となく会いました。彼はいつも話すことにとても興味を持っていました。

 私たちが60年にわたって組織として価値ある仕事を推進し続けているのは、関係者すべての信頼のお蔭です。そして、必要があるかぎり次の60年を続けることを疑いません。一人一人の他のボランティアと共にボランティアであることを続けさせているのは、同じ通り、同じ町、同じ州、同じ国に住む、もちろん誰なのかよく分りませんが、多くの仲間達の立ち直りを支援していること、と思っています。

 私たちがやっていることは絶対に必要な奉仕で、その一人であることを許されています。役に立つ奉仕を続けられる限り、電話を取ることは止めることは考えていません。ささやかですが、私は多くの慈善事業を支援しています。それらの殆どは仲間達の福祉を促進するものです。しかし、最も役にたっている活動は、サマリタンズに参加することとずっと思って来ました。」

ボランティアの話―ノリーン

 ノリーン・スリーフォード89歳は、ダンキャスター・サマリタンズのボランティアを50年務めた。支部設立当時からのメンバーで、今年役目から降りた。彼女がこれまでの経験を振り返る。

 「50年前、私はダンキャスターで秘書として働いていました。職場の仲間の一人が、辛い思いをしている地域の人を支援するため、町の中心にサマリタンズの支部を開設しようとしていました。私はいつでも人を助けたいと思っていましたので、仲間が彼女とボランティアをやることに興味があるかどうか尋ねた時、その申し出に飛びつきました。

 私たちは秘書の経験が役に立つと思ったので、支部の設立メンバーになりました。サマリタンズは直ちに私の生活の一部となりました。午後5時のサマリタンズのシフトに就けるよう、毎週金曜日、仕事を午後4時に終えました。

 私は人に何か良いことをしていると感じることを楽しく思いました。そして、他のボランティアととても親しくなりました。実際、今日までその人達の多くはずっと友だちです。

 私はずっと未婚で子供はいなかったので、母が亡くなって、より多くの時間をボランティアに使うことにしました。

 サマリタンズの活動に加えて、地域のオックスファーム・ショップで25年間ボランティアをやっています。そして、地域の劇場の支援を続けています。

 私はサマリタンズの今後の発展を祈っています。組織は長い間に大きく変わりましたが、奉仕活動は私が50年前最初に参加した時と同じように今日でも重要です。」

出典:Home > About us > Our organization > The his-tory of Samaritans > Samaritans at 60 > Volunteer story



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