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サマリタンズホームページより/第13号

 

2016年6月11日発行

■サマリタンズ 英国内で無料の電話を開始

解題:サマリタンズは、毎日のように活動に関するいろいろな情報をホームページでニュースとして社会に発信しています。最近発信されたニュースの中から特に注目すべき、「電話の無料化」「イザベラ・ブロウ基金との協力関係」「三つの言葉でいのちを救える」「自殺について語りましょう」の四つをお届けします。

 今日から、英国で率先して自殺者を減らす活動をしている慈善団体のサマリタンズへの電話は無料になります。新しい無料の電話番号は、困難と闘っている人々がより多く一年中毎日24時間の支援をおこなっているサマリタンズの救命活動にアクセスすることを可能にします。

 新しい無料電話開始に関して、サマリタンズの最高責任者Ruth Sutherland は次のようにコメントしています。「コーラーにとって我々への電話を無料にすることは長い間の強い願望であった。電話料金が無料になることは救命支援へのアクセスがしやすくなることへの確かな前進です。

私達は電話代が私たちの活動にアクセスする時の障壁であることを知っています。私たちを最も必要としている時に私達にアクセスすることを潜在的に妨げている可能性があります。」極度の貧困地域に暮らしている経済的に最下層に属する人々は、比較的裕福な地域に住んでいる人々と比較して、自殺する率は10倍です。そこで、アクセスする時の財政的補助が必要なのです。

 サマリタンズは支援サービスに対し請求はしませんが、支援サービスは国中からの献身的な2万1千人のボランティアによって運営されています。今までは、ヘルプラインを利用した人は自らが電話料金を負担しなければならなかったのです。

 電話料金が無料になったのは、Big Lottery Fund(宝くじ基金)、Vodafone会社、そして大手電話会社の協力によるものです。Peter Ainsworth,Big Lottery Fund UK Chair は次のように述べています。「このような重要な発展をもたらすことに協力できたことは喜ばしいことです。

これによって、サマリタンズの活動が全ての人に利用できるようになりました。この非常に価値のあるサマリタンズのヘルプラインが全てのコーラーに無料になったことで、共同して働くことがどんなことを達成できるかの確かな見本です。」

 昨年、サマリタンズの2万1千人のボランティアは530万件の助けを求める相談を受けました。電話、Eメイル相談、携帯電話(text)、面談によるものです。

 Ruth Sutherland は続けて述べます。「誰でも人生の中で困難と出会い苦闘します。時には絶望的になり、問題の解決を見失うことがあります。話すことが問題解決への道を見つける助けになることを知っています。そして、困難の中にある人に勇気を出してサマリタンズに電話するよう励まします。

物事がうまくいかなくなった時、私たちサマリタンズは毎日24時間ここにいて、話を聴きます。話した内容の秘密を守りながら支援します。

 サマリタンズのフリー電話番号は116 123です。ここへの電話料金は請求されません。(2015年9月21日)

出典:出典:Home > News > Samaritans launches new free helpline number in the UK



■サマリタンズとイザベラ・ブロウ基金との協力

 サマリタンズはイザベラ・ブロウ基金(Isabella Blow Foundation)(世界的に有名なファッション編集長イザベル・ブロウを記念してつくられた)との新しい協力関係の開始を喜びをもって発表した。
 その基金は芸術やファッションを学ぶ有望な学生を支援したり、うつ病やメンタルヘルスに関する研究活動を支援しています。
 この協力関係はサマリタンズのサービスをもっと多くの人々に届かせる新しい方法を開発するでしょう。


 基金の発起人のDaphne Guinnessは次のように語っています。

 我々の基金はサマリタンズを支援することに参加することです。その支援は人々の福祉やメンタルヘルスに効果を生むでしょう。我々はサマリタンズと一緒に働くことで、より沢山アクセスが可能になるよう援助することを望んでいます。サマリタンズは一年中毎日24時間利用可能です。

それは、苦しんで闘っているどんな人に対しても、安全な場所を提供します。その人が誰であろうと、どのように感じていようと、人生がどんな仕打ちをしていたにしても。我々は彼らを悩ましているどんなことでもサマリタンズに話すよう励ましたいです。

 協力関係は2015年10月10日の世界メンタルヘルスデイに合わせて発表されました。昨年、サマリタンズは201支部において530万件以上の応答をしています。電話、携帯電話メール、Eメール、面接で。

 イザベル・ブロウ基金はICAP Charity Day(ロンドン市の最も大きな基金集め事業)で受益者の一つとして名前が挙がってきています。前年、この名誉ある事業はMeryl Streep, Jamie Oliver and Kylie Minogueを含んだAランク著名人らと共にロイヤルファミリーからの支持がありました。

昨年の基金集め事業では800万ポンド集め、22年前の基金集めを始めてから120万ポンド寄付をしてきました。今年の事業から得た基金のあるものは、サマリタンズが行う画期的な新しいアクセスサービス(来年実施される)へ投資されます。

 サマリタンの最高責任者 Ruth Sutherlandは言います。ますます多くの人々が私たちに助けを求めてきます。2013年より2014年において、10万件多く傾聴ボランティアに助けを求めています。我々はイザベル・ブロウ基金とICAPに感謝します。新しく、革新的な方法でわたしたちが救命活動を試みていくことを可能にしてくれたことに対して。

 サマリタンズは安全で安心できる空間を造るよう努力しています。その中で話の内容の秘密は守られ、正しいか間違っているか評価されることなく、一年中毎日24時間、もっとも落ち着いた中で話すことができます。

Isabella Blow(インターネットより)
【5月16日 MODE PRESS】英ロンドンのサマセット・ハウス(Somerset House)で今秋、スタイリストの故イザベラ・ブロウ(Isabella Blow)のワードローブを公開する展覧会「Isabella Blow: Fashion Galore!」が開催される。

 生前、数々のデザイナーを見出し、成功に導いたイザベラは、長い間うつ病と闘い2007年に47歳で自ら命を絶った。その後設立された「イザベラ・ブロウ基金(Isabella Blow Foundation)」とセントラル・セント・マーチンズ (Central Saint Martins)の協力によって行なわれる今回の展覧会では、イザベラのコレクションの中から華やかでひねりのきいたピース100点以上を展示する。

また、イザベラのウエディング・ヘッドドレスを手がけたフィリップ・トレーシー(Philip Treacy)やアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)など、親しかったデザイナーらの作品も紹介する。

 同展について、イザベラの親しい友人だったアーティストのダフネ・ギネス(Daphne Guinness)は「このエキシビションは、甘く切ないものになるでしょう。彼女の服を公開するということは、イザベラ本人も望んでいたことです。彼女の遺産が、これから活躍すべき次世代のデザイナーたちをインスパイアしてくれることを願います」とコメントした。 (2015年10月9日)

出典:Home > News > Samaritans partner with the Isabella Blow Foundation



■三つの言葉でいのちは救える

 世界自殺防止デー(2015年9月10日)にちなんで、サマリタンズは、友人、仲間、あるいは家族の人が悩みを抱えているのではないかと心配している人に、「あなた大丈夫? Are you OK?」と(気掛りな人に)話を持ちかけることを勧めています。

 英国とアイルランドでは、6,000人以上の人が毎年自殺で亡くなっています。平均すると1日当り18人になります。サマリタンズは、6秒ごとに、電話、e-mail、text、あるいは面談で、201の支所で支援を求める声に対応しています。

 話したくない会話を始めることは、誰にとっても容易ではありませんし、難問や悩みに苦しんでいることを誰もが態度に表す訳ではありません。しかし、人と話す――独りだけで問題を背負うのではなく、誰かが話を聴いてくれることを知る――だけで、最も困難な状況であっても、決定的な違いが生じます。

サマリタンズのために実施された(一般の人を対象とした)調査研究では、問題を抱える人を元気づけるのが快いと話しているのは四分の一(29%)の人だけです。感情的に混乱している人に話しを持ちかけるかどうかの問には、四分の三(75%)の人が持ちかけることはしないと答えています。

サマリタンズCEOのルース・スザーランドは次のように話しています。「その人が抱えている問題について話すように励ますたった一つの簡単な質問(Are you OK?)が、その人の孤立感を軽減する助けとなり、同時に生き抜くための道を見つけることをより容易にするのだから、我々はもっと勇気を持ってその質問を発しなければならない。」

 人が苦しんでいる状況は、いつも目に見えている訳ではありません。彼らはおそらく、苦しみを表現できる言葉が見つからないのか、他人に心配をかけたくないのか、あるいは評価・判断されることを恐れているのです。もし「あなた大丈夫? Are you OK?」と話しかけ話を聴き寄り添うなら、彼らは問題を一人で抱えなければならないとの考えから開放されるでしょう。

問題を解決することはいつも誰かを探し出すことではなく、時として最良の支援は、問題を分かち合える誰かが寄り添うことなのです。

 知っていることを誰にも話したくない人、あるいは誰かを心配している人のため、サマリタンズは24時間365日、どんな悩みであろうとも内密にお聴きします。

 グラスゴー大学のロリー・オコナー教授は、自殺行為の調査研究を主導し、なぜある人はより危険な状態になるのか理解することで、サマリタンズと一緒に努力して来ました。

 もしあなたが感情を押え込んでしまうなら、置かれている立場に捕らわれていると感じてしまいます。一人ではないと知り、このように思い込んでいるのは自分だけではないと知り、そして聴いてくれる人がいることを知ることで、最も辛い時でも何とか持ちこたえられます。自殺念慮に捕らわれている人にとって、別の解決手段を見出すのはしばしば困難です。でも多くの人にとって思い込んでしまう時間は長くは続きません。

ある人にとって、一人ではないことを知るような小さいことでも、その人を自殺の決意から引き戻す大きな力になるのです。

 気掛りな人に話しかけることで支援を求める人は、サマリタンズのウェブサイトで助言やガイダンスを見ることが出来ます。あるいはTwitter @samaritans, #RUOKか、Facebookのwww. facebook.com/samaritanscharityで探して下さい。(2015年9月8日)

出典:Home > News > Three words could save a life, says Samaritans



■自殺について語りましょう

 人がいのちを絶つことを防ぐために、自殺の問題にもっとオープンになりましょうとサマリタンズは呼びかけています。

 イギリスとアイルランドで1日に18人が自殺で亡くなっています。しかしサマリタンズ活動のために行われた調査によれば、6人の内1人(17.3%)は自殺について語るのはタブー(社会の慣例として禁止されている)と考えています。


 サマリタンズのフィオナ・マルコム副会長は、苦しんでいる人は孤立して独りぼっちであると言っています。彼らは死にたい気持をしばしば話したいと思っても、どのように話したらよいか分らないのです。あるいは、自殺を考えている人と決めつけられるのを恐れるのです。彼女は、誰かと話すことが別世界を開くことに繋がると言っています。

 「毎年イギリスだけで6,000人以上が自殺で亡くなっています。もしあなたが逆境にあり男性ならば、なお一層自身のいのちを絶つ可能性があるのです。物事への感情を押え込んだ時、状況に縛られる感情が芽生えます。問題を洗いざらい話すことが、あなたが前進する道を探す手助けになるのです。

それはいつも問題解決の話しをすることばかりではありません。時には、単に問題を分かち合う話しをすることなのです。サマリタンズの相談員はいつも傾聴に心掛け、判断・評価はしません。」

 サマリタンズの認知度向上を狙った月間キャンペーン「私たちに話して下さいTalk to Us」を記念して公表された(一般の人を対象とした)アンケート調査も、大半の(64%)人がよい聴き手であると言っているにも関わらず、混乱している人に話しを持ちかけるのが楽しいと言っているのは、4人のうち1人だけであることを示しています。

TOWIE(訳者註:The Only Way is Essex、TV番組)のスターでテレビ司会者のチャーリー・キングは、昨年同性愛者であることを打ち明けた後に悩み苦しんでいたことをサマリタンズに語りました。彼は「私たちに話して下さいTalk to Us」キャンペーンの有名な支援者です。

「昼夜に拘わらず誰かと内密に話ができることを知ったことで、状況が一変したのです。彼らが何を言いどう対応するかを心配することは必要ありません。サマリタンズと話した後は、いつも気持が大変楽になるのを感じました。」

 グラスゴー大学のロリー・オコナー教授は、自殺行為の調査研究を主導し、なぜある人はより危険な状態になるのか理解することで、サマリタンズと一緒に努力して来ました。

 「私たちは皆、悲しんだり苦しんだりする時は、話しをすることを互いに許し合う必要があります。それがサマリタンズの活動がいかに重要かの理由です。孤独ではなく、たった一人ではなく、人が話を聴いてくれることを知ることで、状況が一変するのです。それは最も困難な時に、しっかり支えてくれる何かなのです。

 7月中、「私たちに話して下さい Talk to Us」キャンペーンを通じ、サマリタンズは活動の認知度を高めています。誰でも、悩んでいることについてサマリタンズのボランティアと話すことが出来ます。一年中、毎日24時間、電話、メール、テキスト、または面会で。

 お住まいの地域の「私たちに話して下さい Talk to Us」の行事については、www.samari- tans.org.を検索して下さい。Twitterの @samaritans又はFacebookのSamnaritansに従って、#TalkToUsについての言葉を広めることをご支援下さい。 (2015年7月13日)

出典:Home > News > Let’s talk about suicide to save lives say Samaritans





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