広報誌

広報「埼玉いのちの電話」89号[PDF]

人は、人を浴びて人になる
  〜 家族・当事者の経験を持つ精神科医から伝えたいこと 〜


    やきつべの径(みち)診療所 児童精神科医 夏苅 郁子氏

 これからお話しすることは一般の精神科の先生の話とは少し違うと思います。先生方のお話は、病気とは何か、病気の区分、治療法のお話だと思うのですが、私の立ち位置は、精神科医2割、当事者4割、家族4割、そういう心持ちでおります。私も当事者であり母が統合失調症の当事者であったということが背景にあると思います。今、診療を担当しておりますが、カルテに病名をつけるとき、とても苦しく思います。病名をつけることが、その方の人生を救うどころか、逆になってしまうとしたら精神科医としてとても悲しい。私自身は薬で治ったと思っていません。薬も必要な時はありますが、人を治すのは薬ではなくて人だと私は思います。

 なぜ夏苅さんは精神科医になったんですかとよく聞かれます。統合失調症のお母さんを助けたいからですかと。そんな高い志ではありません。私から見たら身勝手な親、それから学校では本当に酷くいじめられました。何回も転校したこともあるし、ゴミ屋敷のような家から学校に行き「臭い、汚い」と言われて、そういうことで本当にいじめの対象になりました。私は何も悪い事してないのになぜこんなにいじめられるのか、この家のせいだと思いました。



 誰もがすごいと思う職業に就いて親と世間を見返してやる。私は実家がこうだから一生結婚できないだろうと思いました。だから女でも食べていける職業に就こう。医者か弁護士になろう。親は当てにならないと思っていたから本当に努力しました。おこがましい言い方ですが努力家だと思います。ただ、その努力は向上心ではなくて恨みです。私は恨みを原動力に生きてきました。


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