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 このコラムを「万葉広場」と名付けました。
万葉集の名にあるように万葉とはよろずの言の葉を意味しています。 私たちが便利に使っている葉書にも葉の字が使われています。 戦国時代にタラヨウという木の葉の裏に文字を書き情報のやり取りをしたのが葉書の由来だそうです。
 「万葉広場」はいのちの電話の活動を推進している私たちが、日頃思っていること、 感じていること、心掛けていることなど、その一端を皆様に紹介する「言葉の広場」です。

コラム32 秋風

イラスト26

野分、、、昔は台風のことをこんな風に言ったそうです。二百十日のころ、野の草を分けながら吹きすさぶ強風。
 昨今の台風は、そんな甘いものではなくなりました。
 台風がくるたびに、崖崩れや洪水も最悪としか言いようがない状況に。そのうえ放射能汚染水漏れの恐怖に晒されなくてはならなくなりました。自然を破壊するのは、人間だったけれど、それをまた一から作り直すかのように、巨大な自然の猛威が、自然を破壊していくような気がしてなりません。
 人の心もときに台風のような風が吹きます。
のんびりと吹きさるのを待つ余裕がなくなり、ときに押しつぶされてしまいます。
そんなとき、誰かに話すことで救われた経験がいくつもあります。
その相手はもっぱら、猫。
 聴いているのかいないのか、それより、かつおぶしちょうだいにゃん、と言いたそうな顔をしながら、それでも耳だけはこちらを向いている。話すうちに涙が滲み、いつしか猫はフカフカポカポカの抱き枕になる。
 猫が身近にいない場合は、人形、花、大好きな甘いお菓子も役にたちました。
つまり、心に風が吹いたら、溜めないで心の何処かに窓を開け、逃がすことも必要なのだなあということでしょうか。
 調べついでに秋冬の風の名前を見つけました。

 雁渡し
 いなささ
 金風
 木枯らし
 おろし
 空っ風

 昔の言葉は美しくて、存在感がありますね。
 今夜は雁渡しの風に乗って空をかける夢をみたいものです。

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